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松尾豊教授の名言ベスト10~NHK人間ってなんだ~

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筆者が勝手に師と仰いでいる松尾豊教授。その名言をまとめました。

2017~2019年にNHK Eテレで放送された「人間ってなんだ」(Season1~3、全36回)の録画を久々に見返したのですが、何度見ても面白いですね。刺さる言葉がたくさんあるので紹介したいと思い、独断と偏見で並べました。名言というかお考えですね。

AI技術を紹介しながらも、人間を知る必要があるというコンセプトで制作されたこの番組、分かり易くもあり、1つ1つ考えさせられるものでした。

 

松尾豊教授

東京大学大学院工学系研究科教授
日本ディープラーニング協会理事長
日本におけるAIの第一人者

と紹介はここまでにします。

 

名言ベスト10

 

 
 No1. 「AIによって人間がいかにいい加減か、ばれてくる。」
 

これは筆者も開発で実感しています。今まで人間がやってきたことは正しいのか、どんな業種の仕事でもオペレーション1つ1つに感じます。

「凄くないんだけど偉そうにしてる人の化けの皮がはがされてくるのが楽しみ。」「就職面接のような人の人生を決めることを感覚的にやってないか、AIに暴き出してほしい。努力した人が報われて欲しい。」もう同感しかありません。

 

 
 No2. 「数百年後の人間はクラウドと同期しているかもしれない。」
 

感覚のAI化を題材にした回で言っていることです。面白いですね。今聞くとびっくりしますが、当たり前になるのかもしれません。

「デバイス(体)が壊れても中身は保存できるはず。」「人体と言うハードウェアはめちゃくちゃよくできている。軽量だしセンサーが内蔵されまくっている。だから人間ができる仕事は無限にある。」とも言っています。

 

 
 No3. 「人の考えに基づく部分もAIにスコア化されていく。」
 

つまり、AIには難しいと言われている人間の曖昧さ、思考みたいなものも細かく数値化されることによって、できないことが無くなるという話です。考えだけでなく熟練の職人が持つ感覚なども含めてほしいところです。

確かに感覚を数値にしようと思えばできなくありません。それが多少不正確でも、多くの人から集めれば精度が良くなります。うーん、AIは本当に万能になるかも。

 

 
 No4. 「5年から10年のうちに、AIの文章の意味理解は人を超える。」
 

言語処理を題材にした回で言われていたことです。放送から少し経過した今では実際にTransformer系モデルがすごい威力を発揮していますから、予言してますね。

ただし、「BERTで文章の理解が飛躍的に向上したが、専門家の間では理由が釈然としてしない。」と理解の難しさに触れています。後述の言葉にあるように、AIを全て理解しなくてもよいという考えも持っています。

 

 
 No5. 「”自由”の定義を考えつくされてない。」
 

この回はまとめると、
・AIカメラなどによる監視社会になることが恐れられているが、将来は当たり前になり、「自由」の範囲が変わっているのではないか
・逆に「昔は野放し社会だった」と言われる日が来るのではないか
・侵略があると明確な言語になるという歴史がある、日本は侵略が少なかったから「文脈を読め、察しろ」と言う文化になった
・その国の文化に合ったAIが必要かもしれない
という議論でした。

自由やプライバシーの考え方も変わってくるのでしょうね。ゆっくり常識化していくと思うんですが、騒ぐ人もいるので黙っておきましょうかね。

 

 
 No6. 「人が言うオリジナルとはオリジナルなのか。」
 

(分かり易いように言葉を補完させてもらっています。)

AIは過去データから学習しているため、それに習った結果しか出せないというが、人も過去の経験から来る結果を出している。人が創作しても、それはオリジナルと言えるのか、という議論でした。

また、「今のAIは現実世界をそのまま学習、つまり人間の偏見が入ったデータを学習している。偏見を持ちつつも無批判。批判的なAIがあってもいい。それがAIに対する違和感だった。」と言っています。

世界の色んな考えを取り入れれば意見を述べるAIは作れそうですね。ただ別の話ですが、「分からない」と言えるAIも必要なんだそうです。こちらはまた定義から入らないといけません。

 

 
 No7. 「人の仕事を奪うの大変ですから。」
 

「人の仕事ってすごいスキルでやってる。」から、すぐにはAIが仕事を奪わないという時間的な話です。

また、無理に人の真似をするのではなくて、「AIやロボットならではの方法で適応していけばいい。」とも言っています。

 

 
 No8. 「AIが急に人間を超えるなんてそんなこと起こったら苦労しないですよ。」
 

感覚のAI化を題材にした回で、いろんなセンサーと学習で料理が自動で作れるようになる、世界中のニーズと連携され、欲しい料理が手に入ったり、創作料理ができたら面白い、という議論がありました。その中で、急には発達しないという意味で言われました。

開発者側から言うと同感で、AIを脅威に思う人がいますが、時代に合わせてゆっくり適用される(開発される)ので怖くありません。いつの間にかAIにおんぶしている時代になります、いつの間にか。

 

 
 No9. 「AIも夢を見ることができるんじゃないか。」
 

「人間が起きている間は外から入ってきたデータで学習している。寝てる間に見る夢は、自分で作り出したデータで再学習をしている(と解釈できるんじゃないか)。」

だからAIに学習、再学習させている時は、それが「夢を見る」と同じことになるのでは、という意味でした。そんなことまで人とAIは似ているのか、と気付かされました。

 

 
 No10. 「AIのパラメータを理解しようとしているが無理なこと。」
 

学習するデータは高次元(多くの要素がある)だし、学習済みモデルには無数のパラメータがあるから人間が一度に理解するのは無理、と言っています。

現在、AIの出す結果に理由付けをする研究もされていますが、理由は不要であるという世界になってくれないかと筆者も思っています。ディープラーニングの結果を顧客に説明するのは難しいからです。

「人間には理解できないけれどもモデル化できる事象というのが増えてくる。科学のあり方が変わってくる。」とも言っています。1つ1つの理由に構っている暇はないのかもしれません。

 

ここまで、ベスト10でした。他にも刺さる言葉があるので、残りをPartⅡに書きます。 -> 松尾豊教授の名言集 Part2

 

 

んー、哲学ですね。人間科学なんですね、AIって。

確かに開発していても、どこまでやれば正解? 何が正解? 職人が今までやってきたのは正解だったの?怪しい ってことが頻繁にあります。

AIのおかげで人間が分かるかもしれません。

いえ、都合の悪い領域には踏み込ませないのかな。

どちらにしてもこれから面白そうです。

 

こうして一部だけ抜粋すると多少過激な言葉もありますが、番組の全体を見ると納得がいくと思います。NHKオンデマンドで一部見られるようなので興味あれば探してみてください。

 

 

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