2020/10/28-30 に開催されたAI EXPO(幕張メッセ)に潜入してきました。簡単ですがポイントをまとめます。
隣でIT Weekの「AI・業務自動化展」もやっていたので、(お願いだからまとめてくれい)と思いながら両方おさえました。自分のメインは講演のほうですけれども。
撮影NGのため詳しい画像はありません。
動向
全体的な印象です。
- 勢いがあるのはエッジデバイス。物流、工事、倉庫などの現場で物や人の検知、監視をするニーズが多い。
- 物体認識自体はもはやどこでもやってる。大手の子会社であるシステム屋が親会社のニーズを各々開発できてしまったという印象。人の検出、不良品の検出、劣化度、ドローン連携。
- AI製品としては目新しいものがないが、これまで営業トークだった物がある程度精度を伴ってきた感がある。チャットボット、物体認識、OCR。
- チャットや契約書チェックの精度が良くなったのは高度な言語モデルを使い出したからという話(Transfomerのことか?)。
- チャットボットは多様化している、スマホ化、在宅向け、周辺機能。
- OCRは相変わらずニーズがある。まだまだ企業には紙の書類があるということ。
- ノーコードツールを持つ複数の企業が今回は来れなかったようだが、1つまとまったものがあった。機械学習自動化ツールという名の運用管理ツール。(モデル構築を自動で行える、というのは設定に合ったモデル選択をすると解釈。予測結果に簡単な理由が出るのは一歩前進か。)
- ベトナム、韓国、中国の企業が進出してきている。セブ島の格安アノテーション請負あり。
講演
1日だけの講演に限りますが、聞いた話のポイントは以下です。
内閣府人口知能戦略会議理事のお話(抜粋)
- 内閣府AI戦略では、教育への適用が第一と考えている
- 大学生への授業増し、底辺を広げてトップ人材を増やす
- 文系の学生も巻き込む必要あり
- AI Japan R&D Networkへの参画も大学が多い
- どこもデータ不足と言っている、行政の縦割りが響いている
- 省庁串刺しのデータ連携基盤を作っている
- IoT、クラウドとAIを一緒にして進めていかないと日本は3周遅れになる
- これからは介護、農業の分野へのAI適用が伸びる
- PRISM、SIPといったWGで今後も後押しする
NVIDIA部長兼JDLA理事のお話(抜粋)
- Transformerモデルの応用で言語処理が向上している
- GPT3は文章の解釈がやばい
- Transformerで物体検出のCNNが不要になっている、DETR、VIT
- JDLAではディープラーニング開発契約書のひな型を作った
- AI導入が成功している組織の共通点は
- 最初にパイロットPJを実行してしまう
- 社内のAIチームを結成する
- AIトレーニングを提供する
- こうして感触を得てからAI戦略を立てる
- 内外の情報交換の仕組みを作る
(株)シナモン社長のお話(抜粋)
- 2030年に1000万人の労働不足、AI必須
- AI Readyレベル1~5で企業の適用レベルを図る
- 現在はほとんどがレベル1,2
- 現在はほとんどがレベル1,2
- これからはコスト削減ではなく成長戦略としてAIを考えるべき
- 例えば海外に流出した仕事を国内のAIに戻せるのでは
- AI導入の敷居が下がってきている、AI技術の民主化が起きる、ゲームリセットとなる、だからコストでなく成長戦略
- 2025年には勝負がついている
- ライブラリを作れる人をAIリサーチャという、増やす必要あり
- 現在はベトナム、台湾の人材を使っている
- 理論が絡むため数学の天才でないと
- AI導入はHuman in the loopという考え方
- 人検知モデル=AIは80%の正解、残りを人がチェック
- 監視モデル=AIが出す確率が閾値以下であれば人が対応
- バックアップモデル=チャットボットで対応不可となったら人に切り替える
- Linking Dataという考え方、1つ1つが意味のないデータでも種類が増えると使える
- Hervest Loopという考え方、データ同士で弱点を補完する
活況だった業界がコロナの影響で少し冷静になったように見えます。AIが単なるブームでなくなり習熟期に入りこれから本質的な利用や発展が始まるのだと思います。
やはり展示会場に行くことによって、オンラインでは感じることのできない空気に触れることができますね。