AIエンジニアを目指す人はE資格という言葉を目にしたと思います。
この資格って実際必要なの?難易度はどうなの? こう思う人も少なくないと思います。
費用をかけて取得する価値があるかどうか合格者が本音を書きます。また合格するための勉強方法をお教えします。
E資格の概要
概要
E資格は、JDLA DeepLearning for Engineer、日本ディープラーニング協会が開催するAIのエンジニア向け資格で、統計的機械学習からディープラーニングまでの理論から実装まで幅広い試験範囲になっています。理論を理解するための数学も含まれてきます。
試験形態は、会場に行きPCで入力する試験です。
全問題が選択式、時間は120分、メモ用に用紙とペンが渡されます。
受験料と条件
受験料は、一般:33,000円、学生:22,000円 。
認定研修を受講することが条件で、この研修は10~60万円と幅広いです。
難易度
問題の難易度は中レベルのものから高レベルのものまであり、問題数が多いのと試験範囲の広さを考えると、全体の難易度としては高いと言えます。
機械学習を数学的に理解したり、ディープラーニングの原理や幅広くモデルを知っていることなどが要求されます。新しい話題についても出題されます。
AI初心者は合格可能かどうかというと、プログラミングが未経験であれば難しいと思います。プログラミング経験があればAI初心者でも十分可能です。そういった人が大勢います。
資格取得のメリットはあるか
費用がかかる割に取得する価値があるのか、とよく聞かれます。感じ方は人それぞれですが、筆者は受験して良かったと思っています。実際こんなメリットを感じています。
- 勉強することによって機械学習の幅広い知識が付いているため、何かしら仕事に生きる(モデル選定、顧客への説明など)
- 今のところAIの資格では一番難しいので職場や客先で一目置かれる
- 客先、異動時、転職時に「AIを知っています」と言った時の説得力が全然違う、嘘ではないと簡単に分かる
全業界でDXが推進される今の時代に、協会公認資格を持つ人材を評価しないはずはないのです。
合格体験記
筆者がE資格取得までにたどった道を明かします。あまり効率的ではありませんでした。
- 1ヶ月間:「Udemy」というオンラインコースに出会い夢中で受講する。簡単にAIが作れることを知る。
- 並行して:Pythonを使って統計的機械学習で遊んでみる。Pythonは分かり易いし、ググって組み立てたらできた、という感じ。
- 3ヶ月間:ディープラーニングにも興味を持ち、書籍「ゼロから作るDeepLearning1,2」を熟読、真似してディープラーニングを作ってみる。ディープラーニングの中身を理解。
- 並行して1ヶ月間:JDLA G検定の勉強、取得
- 3ヶ月間:E資格認定研修の受講。ゼロ作をやったおかげでかなり理解ができ宿題もスムーズに出す。準備せず来た人は苦戦していた模様。
- 並行して6ヶ月間:問題集が出ていないため手探りで勉強。研修の復習と書籍9冊を読んで理論と複数のモデル構造とコードの理解。
- 受験:正解率7割ぐらいで合格。
試験の後は不合格だと思っていましたので嬉しかったです。コツコツと多くの書籍を吸収した成果が実りました。試験自体の印象は以下です。
- 噂通り数学の問題は忠実に出て、そこで点数が稼げた
- 数学を除き、認定研修の内容や過去問がそのまま出ることはほとんどなかった
- コーディングの穴埋め問題が非常に多く、考えていると時間がなくなった
- 合格率は受験者の6割ぐらいだった模様
- 正解率6割強が合格ラインだった模様
攻略法
これを読んでいる人にはもう少し効率良く進んでもらいたいと思い、筆者の経験と現在の動向を踏まえて改善ルートを練りました。
プログラミング経験の無い人は難しいので対象外としましたが、気合いだけはあるという人がいたらもちろん応援します。最初のPython入門を厚くしてください。
<プログラミング経験が有るけどAI初心者という人はここから>
- 1ヶ月間:書籍またはオンラインスクールでPythonと機械学習の基礎を体験する。最初は簡単なものから段階的に。おすすめの書籍などは下記リンクから。
<Pythonが使えるまたはG検定レベルの人はここから>
- 1ヶ月間:書籍「ゼロから作るDeepLearning1,2」を熟読しディープラーニングの原理を理解。この後に研修を受ける。
- 3ヶ月間:認定研修の受講。講義の復習と宿題をしないと頭に入らない。特に数学の授業は点稼ぎになるため覚える。数学をあまり理解できなかった人は下記おすすめの書籍で復習する。
- 並行して1ヶ月間:「E資格エンジニア問題集」を一通りやり、どんなことを覚えればいいか傾向をつかむ。
- 3ヶ月間:問題集で感じた足りない箇所について、下記おすすめの書籍から選んで学ぶ(特に、イラストで学ぶ~、ITエンジニアのための~、つくりながら学ぶ~、深層学習、の4冊から)。
上記で書いたおすすめの書籍やオンラインスクールはこちらです。どれも無駄になりません。
勉強のポイントは、数学の問題は1つも落とさないという意気込みで覚えること、コーディングの問題が多く出るのでゼロ作などの本でたくさん見慣れておくこと、モデルの種類や構造をたくさん見慣れておくこと、につきます。問題数が多いのでできるだけ早く解いていってください。
まとめ
E資格は試験範囲が広いとはいえ正解率6割程度で合格させてくれます。ということは、協会の目的は勉強させることにあるのでしょうね。基本を抑えたあと広く勉強をすればいい結果につながると思います。
筆者の経験から、できるだけ無駄のない勉強方法を書きました。勉強する環境も日に日に良くなってきているので、チャンスを逃さないよう願っています。